福井)転ばない「合格ダルマ」 すべて手作業 小浜

(朝日新聞 2015.1.16から)


受験シーズン本番を迎え、ツカモト民芸センター(小浜市福谷)では「合格ダルマ」作りがピークを迎えている。どっしりとした三角錐(すい)や円錐台で転ばない形状。すべて手作業のため、一つ一つの形状や表情、味わいが異なり、全国にファンを増やしている。

 

 若狭塗箸(ぬりばし)に使う塗料を固め、さまざまな形状にカット。削って磨いた後、力強く上方をにらんだ目などを描いて仕上げる。高さ2センチほどの小さいものでも2カ月近くを要するという。

 

 約50年前、店主の柄本忠彦さん(67)が、職人だった父親と独自の技術で「若狭うるしダルマ」を考案。約25年前、客の求めに応じて合格ダルマを作ったところ、口コミで評判が広がった。現在は妻の直江さん(56)と夫婦で年間500個近くを制作している。

 

 柄本さんは「いろいろと耐え忍んで前に向かっていくダルマを思い、気持ちを込めて作っています」と話す。価格は大きさで異なり、3センチのもので1080円。ストラップもある。水曜休み。問い合わせは同センター(0770・52・2590)。